第59回日本糖尿病学会年次学術集会が開催されました

糖尿病学会京都.bmp

第59回日本糖尿病学会年次学術集会が2016年5月19日から21日まで京都の国立京都国際会館、みやこめっせ等で開催されました。当学会の今回のメインテーマは「知の融合が拓くあたらしい糖尿病学」でした。

 近年の糖尿病治療の進歩には目覚ましいものがありますが、日本の糖尿病患者数は950万人にまで達しています。糖尿病合併症による患者さんの生活の障害、医療費の高騰による医療経済への負担、また近年は高齢化が進み高齢者の治療のあり方なども問題となっています。これらの問題を解決すべく多くの症例の報告や集積された知見の報告が行われました。その他iPS細胞を用いて糖尿病の完治を目指す方法や、医療機器の進歩に関する報告検討なども行われ盛況のうちに閉会となりました。

なお、今回高齢者糖尿病の血糖コントロール目標が策定、発表されましたので記載しておきます。

高齢者は各個人ごとの状態が大きく異なるため、個人個人にあった内容をきめ細かく決めていく必要があるという趣旨です。

基本的な考え方は、

①血糖コントロール目標は患者の特徴や健康状態:年齢、認知機能、身体機能(基本的ADLや手段的ADL)、併発疾患、重症低血糖のリスク、余命などを考慮して個別に設定すること。

②重症低血糖が危惧される場合は、目標下限値を設定し、より安全な治療を行うこと。

③高齢者ではこれらの目標値や目標下限値を参考にしながらも、患者中心の個別性を重視した治療を行う観点から、表に示す目標値を下回る設定や上回る設定を柔軟に行うことを可能としたこと。
     となっており具体的なコントロールの目標値は以下の通りです。
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