免疫チェックポイント阻害薬に関係する劇症1型糖尿病発症についての注意喚起

 近年開発された、免疫チェックポイント阻害薬といわれる薬剤の中で「根治切除不能な悪性黒色腫」と「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に承認されているニボルマブ(商品名「オプジーボ」)を使用して1型糖尿病、なかでも劇症1型糖尿病を発症したという報告がされています。先日発売されたペムブロリズマブ (商品名「キイトルーダ」)はニボルブマブと同様の作用を持つことからニボルブマブと同様に1型糖尿病や劇症1型糖尿病を発症する可能性が考えられ、厚生労働省や関連学会が注意喚起を行っています。

 1型糖尿病は膵β細胞が破壊され絶対的インスリン欠乏に陥る疾患です。中でも劇症1型糖尿病は極めて急激な発症経過をたどり、早ければ数日以内にインスリン分泌が完全に失われ死亡する可能性が高い緊急疾患です。そのため、これらの薬剤の使用中に口渇・多飲・多尿・体重減少・全身倦怠感・意識障害などの糖尿病症状の出現を見た際には、劇症1型糖尿病の可能性を考え早急な対処が必要です。

 決して頻繁に使用される薬剤ではありませんが、これらの薬剤を使用される時には糖尿病症状に注意するようにしましょう。